晴れて風がないと暖かく感じるようになりました。
春。
暖かく優しい季節。
「ねぇ。お花見に行きましょう」
「はぁ。いったい、いかがなされたのですか?」
「さっき、ラメグラをしてくれたお客様が教えてくれたのよ」
「何をでございましょう」
「大倉山の梅園で、お花見やってるらしいのよ」
「しかし、この後に予約のお客様がいらしたのでは?」
「夕方からだから大丈夫。それより、お弁当持って行ってみましょうよ」
「かしこまりました。ただいま、準備いたします」
と、我が家では、こんな感じに慌ただしく春がやってくるようでございます?
……。
「すっごい人出ね」
「そうでございますな。おや、屋台も出ていますね」
「きゃー☆あれなぁに?」
「りんご飴でございますな」
「ねぇ。あれは?」
「綿菓子ですな」
マイコ先生は、このような催し物とは縁の薄い生活をなさっておいででしたから、目にするものが全て新鮮なのでしょう。
「とりあえず。お弁当にしましょう」
「時間がありませんでしたから、あまり期待はなさらないで下さいね」
「いいのよ。菅の作ってくれるのは、何でも美味しいもの」
「では、こちらになります」
「わぁっ!子供の時みたいね。おぉっ!タコさんがダブルよっ!!」
「さぁ。こちらも」
「なんだか、ザ・お弁当って感じね。これだけでも楽しいわ」
「可憐に咲いてる花たちも、愛でてやってくださいよ」
「あははっ。これじゃ、花より団子ね」
「ははは」